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2003年3月11日

パーソナルメディア株式会社
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3種類のCPUで動くT-Engine用の多漢字GUIシステム「PMC T-Shell」を同時発売

〜 ユビキタス機器をパッと作れるT-Engineのミドルウェアがさらに充実 〜



パーソナルメディア株式会社(代表取締役:泉名達也、本社:東京、電話番号03-5702-7858、資本金1,000万円)は、ユビキタス時代の標準開発プラットフォーム「T-Engine(ティーエンジン)」のうち、標準T-Engine仕様に準拠した現在発売中の3機種(T-Engine/SH7727, T-Engine/VR5500, T-Engine/ARM720-S1C)の上で動作するGUIミドルウェア「PMC T-Shell」の開発に成功し、T-Engine開発キット上で動作するソフトウェアパッケージ「PMC T-Shell開発キット」として3月28日より発売いたします。

「PMC T-Shell」には、グラフィック画面に図形や文字を描画するディスプレイ・プリミティブ、画面上のパーツ類(テキストボックスやスイッチなど)、メニュー、ウィンドウなどを管理するGUIマネージャ、VJEを用いたかな漢字変換機能、多漢字(*1)の表示機能および17万字の多漢字・多言語用フォント、TCP/IPなどのほか、タッチパネル等のHMI画面の設計に適したビジュアル言語「マイクロスクリプト」が含まれています。T-Engineの標準リアルタイムOSである「T-Kernel」と、その上でファイル管理やプロセス管理機能を実現する「PMC T-Kernel Extension」、さらにその上でGUI関連の階層を実現する「PMC T-Shell」(今回発売)を組み合わせて利用することにより、T-Engine上で通常必要になる一般的なミドルウェアが一通り揃うため、お客様は、最終製品に固有の組込み制御用アプリケーションやドライバの開発に専念できます。その結果、T-Engineを用いた各種組込みシステムのプロトタイプや最終製品をごく短期間で開発できるようになり、"(組込みシステムを)パッと、作れる" というT-Engineのセールスポイントを活かしたシステム開発が可能となります。

このたび発売する「PMC T-Shell開発キット」は、動作するCPUの種類に応じて、「PMC T-Shell/SH7727開発キット」「PMC T-Shell/VR5500開発キット」「PMC T-Shell/ARM720-S1C開発キット」の3種類の製品があります。CPUが異なるため、この3機種間でオブジェクトコードでの互換性はありませんが、T-Engineプロジェクトによるハードウェア、OS、および開発環境の標準化活動の成果により、この3機種間のプログラム互換性は極めて高くなっています。すなわち、再コンパイル程度の手間で「PMC T-Shell」自身およびその上で動くアプリケーションプログラムの移植が可能であり、その結果として、3機種(T-Engine/SH7727, T-Engine/VR5500, T-Engine/ARM720-S1C)の上で動作する「PMC T-Shell開発キット」を同時発売することができました。CPUやハードウェア環境が千差万別の組込み機器において、複数のCPU上で動作するミドルウェアが同時発売されるのは、極めて異例のことであり、T-Engineのミドルウェアの流通性を裏付ける結果になりました。

さらに、「PMC T-Shell開発キット」に含まれているビジュアル言語「マイクロスクリプト」を利用すれば、再コンパイルさえも不要となり、CPUに全く依存しないプログラムを作成できます。これは、「マイクロスクリプト」がコンパイラ・インタプリタ方式を採用しており、実行時にCPU独立の中間コードに落とす機能を持っているためです。「マイクロスクリプト」のアプリケーションは、「PMC T-Shell/SH7727開発キット」「PMC T-Shell/VR5500開発キット」「PMC T-Shell/ARM720-S1C開発キット」の3種類のT-Engine上で全く同じプログラムが動作するのに加えて、PC上のホスト側開発環境でも「マイクロスクリプト」が動き、ここでもT-Engineと全く同じプログラムが動作します。このため、画面の大きなPCを利用して効率よくHMI画面の設計や開発を行えるほか、T-Engineを用いたターゲット側のハードウェアが動作する以前からHMI関連のプログラムの開発やテストを進めることができ、開発期間の短縮や品質の向上に大きく役立ちます。

「PMC T-Shell開発キット」は、AV機器、OA機器、券売機、KIOSK端末など高機能なGUIを持つ組込み機器のGUIミドルウェアとしてご利用いただけるほか、多漢字の需要が大きな電子ブックや電子辞書、あるいは電子政府向け端末など、文字を中心とした組込み用アプリケーションの開発プラットフォームとして幅広くご活用いただけます。

「PMC T-Shell/SH7727開発キット」「PMC T-Shell/VR5500開発キット」「PMC T-Shell/ARM720-S1C開発キット」の標準価格は、それぞれ98,000円(税別)であり、パーソナルメディアからの直接販売にてお求めいただけます。なお、「PMC T-Shell開発キット」はT-Engine開発キット上で動作する開発評価およびプロトタイプ構築用のソフトウェアパッケージですが、このほかシステムメーカー様向けには、「PMC T-Shell」の最終製品用のライセンス販売も行います。この場合は、本数や必要機能に応じて個別にご契約いただく形態となります。
(*1) 多漢字
通常のコンピュータで扱える文字や漢字の種類(JISやUnicodeなど)と比較して、より多くの種類の漢字が扱える機能。人名用の漢字にはJISやUnicodeで表現できない字形を持つものが多く、人名用漢字を正確に表記するためには多漢字機能が必須です。

◇図
- 「PMC T-Shell」を用いたT-Engineのソフトウェア構成

- 画面イメージ

◇関連情報
- T-Engineプロジェクト
   http://www.t-engine.org/

- TRONプロジェクト
   http://www.tron.org/

- パーソナルメディア株式会社(T-Engineのページ)
   http://www.personal-media.co.jp/te/

表. 「PMC T-Shell開発キット」の内容および機能
T-Engine開発キット上で実行可能な「PMC T-Shell」:
・ディスプレイプリミティブ
描画環境の設定、クリッピング、直線や円などの図形描画、ビットマップ操作、文字および文字列の描画、ポインタ操作など

・GUIマネージャ
ウィンドウ、パーツ、メニュー、パネルの管理機能

・フォントマネージャ
TrueType フォントに対応

・かな漢字変換
VJE-Delta Ver 2.5による連文節かな漢字変換機能

・TCP/IPマネージャ
TCP/IP, ICMP, ARP, DNS, DHCP, PPP

・17万字の多漢字・多言語用フォント
英数字、JIS第1・第2水準、JIS第3・第4水準、JIS補助漢字、中国、韓国、台湾、各国(Unicode 2.0の非漢字部分)、点字、シンボル、大漢和、GT書体フォント
※ 上記全部のアウトラインフォント(明朝体)および一部のゴシック体フォント、ドットフォントを添付

・デバイスドライバ
PCMCIA LANカード(*2)および「T-Engine/SH7727拡張LANボード」用のLANドライバ(*3)

・ビジュアル言語「マイクロスクリプト」
PC用の「超漢字4」で動作する「マイクロスクリプト」と互換

「PMC T-Shell」用のアプリケーション開発環境:
・GNU開発環境用の追加ヘッダファイルおよびライブラリ

・PC用「超漢字4」(*4)
「PMC T-Shell」の動作環境設定、実行ファイルの転送、「マイクロスクリプト」のアプリケーション開発などに利用
(*2) NE2000互換など、一部のLANカードに対応しています。動作機種の詳細についてはお問い合せください。
(*3) 「PMC T-Shell/SH7727開発キット」のみ対応
(*4) 動作条件や機能については、http://www.chokanji.com/ をご覧ください。なお、開発したアプリケーションをATAカード経由でT-Engine側に転送するため、PCMCIAカードスロット付きの機種をご利用ください。
補足資料

TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
BTRON は "Business TRON" の略称です。
TRON, BTRON, eTRON, T-Engine, T-Monitor, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。
本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。
「PMC T-Shell開発キット」は、以前より「超漢字 for T-Engine(仮称)」と呼んでいた機能のうち、GUI関連のミドルウェアの部分を、T-Engine開発キット上で動作するソフトウェアパッケージとして製品化したものです。なお、PC用の「超漢字4」には含まれるが「PMC T-Shell開発キット」には含まれない機能(文字検索機能や基本ブラウザなど)もありますので、ご注意ください。

以上

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