◇写真
◇補足資料
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2003年12月10日
T-Engine応用製品向けの超小型プロトタイプ「T-Cube(仮称)」の開発に成功
〜 超漢字パソコン互換のデスクトップ機を国産CPUで実現 〜
パーソナルメディア株式会社(代表取締役:泉名達也、本社:東京、電話番号03-5702-7858、資本金1,000万円)は、ユビキタス時代の標準開発プラットフォーム「T-Engine(ティーエンジン)」の応用製品向けプロトタイプ「T-Cube(仮称)」に多漢字OS「超漢字」のT-Kernel版を移植し、2004年第一四半期から出荷を開始します。
「T-Engine」はあらゆるモノにコンピュータが入り、それらがネットワークで接続され、互いに協調動作して私たちに利便性や安全性、快適性を与える「ユビキタス・コンピューティング環境」を実現するために、さまざまな組込み機器の開発を効率化・標準化するためのプロジェクトです。2002年6月に22社で始まり、2003年12月現在では約280社もの企業や団体が参加する「T-Engineフォーラム(会長坂村健・東京大学教授/YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長)」が中心となって活動しています。
「T-Cube(仮称)」は、このT-Engineプロジェクトの成果を活かした半応用製品です。標準T-Engineボードには含まれないLAN機能や高解像度グラフィック機能などを追加することにより、「T-Cube(仮称)」単体で業務用端末やIA(Internet Appliance)の用途に利用可能なほか、高機能、高性能な組込み制御用のコンピュータとして幅広くご利用いただけます。また、回路図などの技術情報が公開されているため、お客様ご自身が「T-Cube(仮称)」のハードウェアをベースに、最終製品向けのハードウェアを再設計し、お客様独自の多彩なユビキタス機器へと展開させていくことが可能です。この場合、最終製品のソフトウェアの開発は、「T-Cube(仮称)」上で先行して進めておくことができ、製品全体の開発期間を大きく短縮できるというメリットもあります。
パーソナルメディアでは、「T-Cube(仮称)」のハードウェアに、T-Engineの標準リアルタイムOSである「T-Kernel」やBIOSに相当する「T-Monitor」、デバイスドライバ、ファイルシステムなどを含む「T-Kernel Extension」、多漢字GUIミドルウェアである「PMC T-Shell」、およびブラウザなどのIA向けアプリケーションを移植し、約3週間という極めて短い時間でパソコン用多漢字OS「超漢字」と同等の機能を実現しました。CPUやハードウェア構成の全く異なるシステムに対して、OSやデバイスドライバからミドルウェアやブラウザまで含めた広範囲の機能が短期間で移植できたことにより、「パッと移せる」というT-Engine用ソフトウェアの移植性の高さが改めて実証されました。
「T-Cube(仮称)」では、OSやミドルウェアがTRONやT-Engineベースの国産技術で開発されているのに加えて、CPUにもNECエレクトロニクス製のVR5701を採用することにより、コンピュータの主要モジュールすべてを国産化することに成功しました。このため、「T-Cube(仮称)」ベースの最終製品では、改造やチューニングの自由度が高められるほか、海外のメーカーに高額のライセンス費用を支払う必要がなく、量産時の製品価格を下げることが可能です。この点は、たとえばLAN接続可能な業務用端末を大量に製造する場合に、PC/AT互換機やWindowsベースのパソコンと比較して、大きなメリットになります。また、パソコンと同等の高度な機能を国産技術で実現したシステムは、他にほとんど例がなく、日本の情報産業の活性化にも大きく貢献します。
「T-Cube(仮称)」の出荷開始は2004年第一四半期の予定ですが、それに先立って、2003年12月11日(木)より東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催される「TRONSHOW2004」のパーソナルメディアのブース(ブース番号E-2)で、「T-Cube(仮称)」の展示を行います。
パーソナルメディアでは、各種CPUを搭載したT-Engine開発キットの発売や「PMC T-Shell」などのT-Engine用ミドルウェアのご提供、T-Kernelの移植やサポートサービスに加えて、今回の「T-Cube(仮称)」の発売により、今後とも積極的にT-Engine関連ビジネスを推進し、ユビキタス機器の開発効率向上に貢献したいと考えております。
- ◇写真
- − T-Cube(仮称)の外観写真 [304Kバイト JPEGファイル]
◇補足資料
表1.標準T-Engineボードと「T-Cube(仮称)」の仕様の比較 |
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標準T-Engineボード
(T-Engine/VR5500の場合) |
「T-Cube(仮称)」 |
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CPU |
VR5500 (MIPS)
最大400MHz, 800MIPS |
VR5701 (MIPS)
最大400MHz, 800MIPS |
フラッシュメモリ |
16Mバイト
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16Mバイト
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RAM |
128Mバイト |
64/128Mバイト |
シリアルI/O |
○ |
○ |
PCMCIAスロット |
○ |
× |
CF(IDE)スロット |
× |
○ |
eTRONチップI/F |
○ |
○ |
オーディオI/F |
○ |
○ |
拡張ボードI/F |
○ |
× |
RTC |
○ |
○ |
グラフィック |
800×600ドットまで |
1280×1024ドットまで |
LAN |
×(拡張ボード) |
○ |
寸法(除・突起物) |
縦75mm×横120m×高さ15mm
(ケース無し。基板の寸法) |
縦52mm×横52mm×高さ45mm
(ケースの外寸) |
重量 |
92g |
165g(含・専用ケース) |
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表2.「T-Cube(仮称)」で動作するミドルウェアとアプリケーション |
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【OS、ミドルウェアなど】 |
- T-Monitor
- T-Kernel
- T-Kernel Extension
- PMC T-Shell
- かな漢字変換
- 世界文字入力
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【基本アプリケーション】 |
- 基本文章編集(ワープロソフト)
- 基本図形編集(図形編集ソフト)
- 超漢字メール(メールソフト)
- 基本ブラウザ(インターネットのウェブ閲覧用ソフト)
- 基本表計算(表計算ソフト)
- マイクロカード(カード型データベース)
- マイクロスクリプト(ビジュアル言語)
- 文字検索
- システム環境設定
- ユーザ環境設定
- ネットワーク設定
- ウェブコンバータ
- ウェブサーバ
- トンパ書体
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■ | TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。 |
■ | TRON, BTRON, ITRON, eTRON, T-Engine,μT-Engine, T-Monitor, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。 |
■ | その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。 |
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本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。 |
以上
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