日本での書評、メディア紹介
推薦コメント
第十回 日本翻訳大賞 推薦作品リスト 山崎 美紀さん(2024年2月1日)
政治、経済、宗教、哲学など、さまざまな角度から切り込まれて描かれており、翻訳は相当大変だったと思う。(略) 海外SFを手がける大手出版社からは刊行されなかった。そのあたり日本での市場を分析している坂村健氏の解説も興味深い。また、物語には多少つっこみどころもあるが、その点も坂村氏がフォローしている。
冬木 糸一さん(書評家)
今年(2023年)おもしろかった本を一気に紹介する(2023年12月29日) ――
『未来省(The Ministry for the Future)』
SFとして僕が今年最も記憶に残ったのは、キム・スタンリー・ロビンスンの『未来省』だった。(中略) 物語は2025年の至近未来からはじまり、気候変動に関するありとあらゆる対策を実施する”未来省”の人々の活躍が描きこまれていく。...
結城 正美さん(環境文学/エコクリティシズム・青山学院大学 教授)
気候危機を緩和する行動へと舵を切ることに意識を向かわせる。
斎藤 幸平さん(経済思想家・東京大学大学院 准教授)
ブックファースト新宿「名著百選2023 私が今年、出会った一冊」フェア(2023年11月11日~12月31日)
迫り来る気候崩壊。熱波、難民、海面上昇などの危機的状況を前に、人類はそれでも争いを続けるのか。
ディストピアでない未来を勝ち取るために、今私たちに必要なのは『未来省』のようなSF小説の想像力である。
書評
新聞
朝日新聞 読書面「ひもとく」金森 有子(国立環境研究所 主幹研究員) (2024年4月27日)
“環境問題を身近に 関心から行動に踏み出すために”
《 朝日新聞朝刊 2024年4月27日付 読書面 》|《 電子版 (有料記事) 》|《 X (旧Twitter) 朝日新聞読書面 》
人々が行動を変えられず、気候変動問題が解決されない先にはどのような世界が待っているのか。SF小説『未来省』 (中略) は、経験したことのない未来を想像するのに役立つだろう。(中略) 解説でコンピューター科学者の坂村健氏は、これらの問題は「科学技術と理性だけでは解決できない」と指摘している。気候変動問題は様々な思惑が入り乱れ、解決が非常に難しい問題であることを、ずばり言い当てている。...
朝日新聞 朝刊コラム「天声人語」 (2024年4月24日)
“春のない未来”
《 朝日新聞朝刊 2024年4月24日付 1面 》|《 電子版 (有料記事) 》
※環境省と気象庁による「熱中症特別警戒アラート」の運用が2024年4月24日から開始
国連の新しい機関「未来省」が2025年に発足する。歯止めのかからぬ地球温暖化に対して、環境工学から法規制までを総動員して取り組む組織だ――と、ここまでは米作家のキム・スタンリー・ロビンスンによるSF小説『未来省』の冒頭である▼小説では、直後にインドを死の熱波が襲う。...
日本経済新聞 朝刊コラム「春秋」 (2023年11月30日)
《 日本経済新聞朝刊 2023年11月30日付 1面 》|《 電子版 (日経IDが必要) 》
※国連の気候変動対策の会議「COP28」が2023年11月30日~12月12日にUAE(アラブ首長国連邦)で開催
キム・スタンリー・ロビンスンの近未来小説「未来省」は衝撃的な光景で幕を開ける。3年前に米国で刊行、オバマ元大統領やビル・ゲイツ氏も絶賛した本の邦訳版だ。(中略) 小説の中で未来省の設立が決まるのは来年のCOP29。世界の終わりが現実のものとならないよう、人類にはまだできることがあるはずだ。この物語は物語のままであってほしい。
日本経済新聞「目利きが選ぶ今週の3冊」のうちの1冊 小谷 真理 (2023年10月19日)
“地球温暖化に向き合う環境SF”
《 日本経済新聞夕刊 2023年10月19日付 文化面 》|《 電子版 (日経IDが必要) 》|《 冒頭、巨大な熱波によりインドで約2000万人が熱死する。未曽有の大災害であり、恐ろしい。敏感な読者なら、今年の夏の異常高温や想定外の集中豪雨を思い出すだろう。だが何をどうやったらこうした地球の環境変化を防げるのか。本書はそのヒントとなる環境SF。「地球温暖化」問題に、膨大なリサーチと圧倒的な思弁力で臨んでいる。...
共同通信配信 「ブックマイスター SF」長山 靖生
“ひとごとではないドラマ”
《 信濃毎日新聞 2023年11月11日付 読書欄 》 《 中部経済新聞 (有料記事) (2023年10月28日) 》|福井新聞 D刊 (有料記事) (2023年10月22日) 》|《 北國新聞 (有料記事) (2023年10月13日) 》
作中、二酸化炭素排出を抑えるためのさまざまな技術が提示されているが、それ以上に重要なのは全ての人間が事の重大さと深刻さを理解し、新たな経済システムを構築できるかだ。しかしそれは可能なのか。人類は間に合うのか。そんなひとごとではないドラマが展開する。...
雑誌、ムック
『SFが読みたい! 2024年版』
ハードSF作家が描く気候変動ものの注目作/経済から農業まで、あらゆる側面を射程に
『S-Fマガジン』 2023年12月号 SF BOOK SCOOP 冬木 糸一
“気候変動 VS 人類にド直球で向き合った話題作”
連日の猛暑や山火事、水不足など近年実際に災害が増えていることもあって、気候変動をテーマにした小説(Climate Fiction)は欧米でも伸びているが、本作は数あるCli-Fiの中でも特別に話題となった作品だ。
ネット
【X(Twitter)】『WIRED』日本版の松島編集長の #おすすめ本 を紹介(2023年11月24日)
【WIRED BOOK GUIDE】『未来省』キム・スタンリー・ロビンスン著
【YouTube】香月祥宏と杉江松恋の「これって、SF?」(2023年10月26日)
『SFマガジン』で書評連載中の香月祥宏さんによる書評
岡本家記録 Bookreview Online 岡本 俊弥(2023年10月8日)
“キム・スタンリー・ロビンスン『未来省』パーソナルメディア”
解説で坂村健(翻訳出版を推した)が触れている通り、日本では注目されず棚上げ状態だった。理系+文系の両方を理解するセンスが要求される小説であり、ジャンルSF以外で受け入れる読者が少ない=商業的に難しいと思われたからだという。...
「基本読書」 冬木 糸一(2023年9月22日)
“欧米で話題沸騰の気候変動にまつわるすべての領域を描き出そうとした野心的な気候変動SF”
キム・スタンリー・ロビンソンは「細部へのこだわりと、世界や社会、人類といった大きなものをまるごと描こうとするヴィジョン」のどちらもを持ち合わせる稀有な作家だが、本作は”気候変動vs人類”という中心テーマに対して、その才能をいかんなく発揮している。...
WEB本の雑誌 【今週はこれを読め! SF編】牧 眞司(2023年9月19日)
《 @niftyニュース 転載 》
作品世界のリアリティ(自然科学面だけではなく社会科学的にも、また登場人物の造型においても)で定評のあるキム・スタンリー・ロビンスンが、2020年に発表した大作...
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読書メーター
未来省(The Ministry for the Future)
ブクログ
未来省(The Ministry for the Future)
メディア、ブログ紹介
遊月つかさ さん(2024年1月25日)
複雑で困難な問題に立ち向かう人類の理性的な努力と、希望的な未来を描いた作品。これからを生きる若者とその家族に読んでほしい。
J-WAVE「JAM THE PLANET」(2024年1月10日)
『未来省』解説執筆の坂村健氏がFM放送 J-WAVE「JAM THE PLANE」の「TODAY’S SPECIAL」のコーナーに出演
"Dr. Pianist" 平田真希子 DMA(2024年1月6日)
書評:The Ministry for the Future (邦題:未来省ーネタバレなし)
2023年に参加した環境関係の学会で沢山の方々に強く勧められました。特に暮れに参加したAGU(アメリカ地球物理学連合)では、著者のインタビューがあり、参加者の多くがこの本について興奮して語り合っていたのが印象的でした。彼らが言うには、この本で出てくる環境科学や解決法が信憑性がある、とのこと。...
Zoomy【読書】今こそ気候変動、地球温暖化の危機を読む(2023年9月22日)
『未来省 (The Ministry for the Future)』キム・スタンリー・ロビンスン著
伝説のSF作家キム・スタンリー・ロビンソンが、今後数十年の気候変動について驚くべきビジョンを描き出した。...
club willbe web magazine (2023年9月21日)
新刊(解説)『未来省』 坂村健さん(東京大学名誉教授)
この度、気候変動に関する現代アメリカを代表するSF作家キム・スタンリー・ロビンソンのThe Ministry for the Future『未来省』の翻訳出版にかかわることになり、その本がやっと出版されました。...
Climate Curation(2023年8月19日)
気候変動、Climate Techに興味を持っている人の間で必読の気候変動SF小説「The Ministry for the Future)」の邦訳『未来省』が9月19日にパーソナルメディアから出版
この小説は今まで何度となく読むことを推薦され、洋書で読もうとしたものの、600ページ近いボリュームと専門的な情報がところどころに散りばめられていて...