電網新世紀
インターネットの新しい未来

電網新世紀

Mark Stefik 編著

石川 千秋 監訳 / 近藤智幸 訳

定価 2,750円(本体価格 2,500円+税)

ISBN 978-4-89362-159-7

A5判 並製

496 頁

2000年1月 発売

米国の最先端執筆陣によるインターネット啓蒙書。
電子マネー・電子商取引・MUD・デジタルライブラリ・デジタル財産権・電子ヒエラルキー。米ゼロックス社パロアルト研究所(PARC)の最先端研究者らが語る新しい情報インフラの可能性とその未来。

正誤表


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  • 内容紹介
  • 目次
  • 書評・紹介
(本書は)インターネットの世界を黎明期から知っている私のような人間さえも、思考を豊かにし、事実をより明快にしてくれる新しいメタファーに出会い、新鮮な驚きを覚えるはずだ。


ヴィントン・G・サーフ序文より


本書のおもな内容

  • 第1部 電子図書館 (Digital Library)
  • 第2部 電子メール (Electronic Mail)
  • 第3部 電子市場 (Electronic Marketplace)
  • 第4部 電子世界 (Digital Worlds)

《本書が取り扱うテーマの一部》

  • 電子マネー
  • 電子商取引
  • MUD
  • デジタルライブラリー
  • デジタル財産権
  • 電子ヒエラルキー
執筆者:ヴィントン・G・サーフ(Vinton G. Cerf)
現在、インターネット・ソサエティの会長であり、MCIではデータ・アーキテクチャ部門の部長の職にある。インターネットで用いられているネットワーク・プロトコルのTCP/IPを設計する際に中心的な役割を果たした人物として、またMCIメールの考案者として知られる。ロバート・E・カーンとともに CNRIを設立し、数年間、副社長を務めた後、MCIに復帰した。
ほか、MIT、ゼロックス社パロ・アルト研究所の研究者など総勢19名


  • 序文

第1部 電子図書館 (Digital Library)

人工知能という研究分野の創始者の一人であるマーヴィン・ミンスキーは数年前、子供たちが老人に話しかけている場面を想像した。
「図書館の本と本がお話をしていなかった頃のことを知ってるの?」

(p.50 知識の足し算/電子図書館 より抜粋)


ヴァネヴァー・ブッシュ 「われわれが思考するように」
J・C・R・リックライダー 「未来の図書館」
ジョシュア・レーダーバーグ 「科学発展の根幹をなすコミュニケーション」
ジョン・ブラウニング 「情報産業における図書館の役割とは」
スコット・D・N・クック 「技術革命とグーテンベルク神話」
ヴィッキー・リーチ/マーク・ワイザー 「図書館は情報のみにあらず――電子図書館の環境的側面」
ランジット・マックーニ 「チベットのタンカのデジタル化と普及」



第2部 電子メール (Electronic Mail)
実は、私のコンピュータに届くメールの90%は、私に関係するものでありながら、私自身が読むことは想定していない。その代わりに、これらのメールはコンピュータエージェントが読むことになり、エージェントは私の代わりにいろいろな面で手はずを整えてくれる。予定表を管理し、あらかじめ送出してあった文献調査の結果を集め、面白そうなニュースを選びグループ分けをする

(p.199 電子メール より抜粋)


リー・スプロウル/サマー・ファラジ 「電子グループがもたらす影響」
ジェイ・マチャード 「ネチケット101」


第3部 電子市場 (Electronic Marketplace)
ところが、常識では考えられないような現象が起きた。それは一種のパラドクスであった。ASCIIファイルをanonymous FTPによって無料で配布したことが、本の爆発的な売れ行きにつながったのである。

(p.276 新しいマシンの奴隷--無料と有料をめぐる謎を探る/電子市場 より抜粋)


トーマス・W・マローン/ジョアンヌ・イェーツ/
ロバート・I・ベンジャミン
「電子市場と電子ヒエラルキー」
ローラ・フィルモア 「新しいマシンの奴隷――無料と有料をめぐる謎を探る」
マーク・ステフィック 「光を放つ――電子出版ビジネスの活性化」


第4部 電子世界 (Digital Worlds)
あるとき、男性と女性の2人の新加入者が接続してきた。すると、その部屋にいたプレーヤーたちはこぞって女性のプレーヤーと会話を始め、部屋の中を案内してあげようとしていたが、男性の方は完全に無視され、一人取り残されていた。

(p.371 MUD―バーチャル・リアリティで起きた社会現象 より抜粋)



パベル・カーティス 「MUD―テキスト・ベースのバーチャル・リアリティで起きた社会現象」
マーク・ステフィック/
ジョン・シーリー・ブラウン
「持ち運べるアイデアに向かって」
バーバラ・ヴィグリッツォ 「インターネット・ドリームス――オンライン・ドリーム・グループとの出会い」


各雑誌でご紹介いただいています。(敬称略。一部引用)


bit 2000年12月号 (共立出版)

  • ぶっくす
  • 「……そんなメタファーをめぐる論考をまとめることが、本当にインターネットの将来を展望することにつながるのだろうか。
    全巻を読み終えての率直な答えは「イエス」だ。……」【廣瀬克哉、法政大学法学部】

SFマガジン 2000年6月号 (ハヤカワ書房)

  • 電子図書館電子メールなど、インターネット上のメタファに関する論文集
  • 「……読んでみるとすこぶる面白い。びっしり書かれた論文が苦手な向きも、メタファだのユング心理学における「元型」だのと言われると引いてしまう向きも、インターネットの「ドリーム」という言葉に惑わされずに読んでみれば、具体的な話題が無味乾燥にならずに語られていることに気づくと思う。」【日暮雅通】

PC WEEK ONLINE JAPAN 2000年1月 (CNET Networks) 

  • 「インターネットの未来を技術面からでなく,利用する人間の面から解説してくれる,インターネットの考え方を根本から変えさせてくれる興味深い一冊といえるだろう。」

SAPIO 2000年3月号 (小学館)

  • 「人工知能から、活用術までコンピュータの全てを知る11冊「...4つのメタファを提供し詳しく論じていく。語られるのは技術論ではなく神話なども交えた、コンピュータ未来社会の姿と可能性そして期待である。」

日経コミュニケーション 2000/03/20号

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